ユーザー可視化事例6

高分子系の粗視化分子動力学シミュレーションの事例紹介動画の作成

研究者:萩田克美(防衛大学校)

研究の概要:
 タイヤゴムやフィルムなどの高分子材料では、配合されたナノ粒子の高次構造が、その機械的物性に大きな影響を与えることが知られている。同じ高分子とナノ粒子の配合でも、ナノ粒子の構造が異なれば、異なる機械的性質を示す。この挙動を再現する計算手法として、ばねビーズ模型の粗視化分子動力学シミュレーションが着目されている。本計算手法の理解増進を図るため、課題意識や計算手法を簡単に説明するとともに、代表的な結果を紹介する動画を作成した。わかりやすく迫力のある動画を作成するために、HPCI公募課題で大阪大学のVCC(可視化計算クラスタ)を用いて、約1000万粒子と約1000万ボンドからなる大規模系のPov-ray可視化を行った。これらを取り纏め、「自動車用高機能高分子材料の補強メカニズムの解明(分子シミュレーションの高精細可視化)」として、阪大学サイバーメディアセンターや民間企業との共同作業で、公開・説明用動画を作成した。


動画

 ナノ粒子が充填された高分子材料の粗視化MDモデルについて、視覚的に迫力があるVR可視化コンテンツを作成した。ポアソン比0で、延伸させることで、急激に、ナノサイズの穴が形成された状況を再現している。この計算は、北海道大学情報基盤センターの協力で、高SMP並列化したOCTA/cognac Ver. 7.0を用いて計算した。架橋された高分子ネットワークが引き延ばされ、特に、架橋点の分岐部分が強く引き延ばされている様子が、VR空間中を探索することで見つけることができる。また、この可視化結果は、ポアソン比を0.4として、高分子とナノ粒子の相互作用の違いにより、ナノボイドの形成がどのように変わるかについて、並列化OCTA/cognacで詳しく計算した研究[K. Hagita, H. Morita, H. Takano: Polymer 99 (2016) 368]の準備研究の一部である。




24面大型立体表示システムによる可視化